[施術報告]歩行者と乗用車のひき逃げ事故

2021年03月4日

信号の無い交差点を歩行中、右折しようとした乗用車と衝突して起きたひき逃げ事故

・40代男性/会社員/葛西在住
・来院:2020年11月来院
・負傷原因

来院17日前に、信号の無い交差点を歩行中に右折しようとした乗用車と衝突し転倒し左膝、左手(母指)、左腕を負傷した。2週間近く経過し疼痛が引かず、症状が増しているため当院を受診した。相手は一時停止線無視をしており過失割合は10:0

・症状

安静時痛、頭痛、倦怠感、左上肢過緊張、母指伸展痛、外転痛、左膝荷重痛、屈曲痛

・治療と経過

初回来院時、母指の伸展痛が目立っており、PIP関節に腫脹を確認。皮下出血はみられなかったがストレステストで疼痛がみられた。MP関節にも痛みがあり、前腕の筋緊張は著明であった。掌側板や側副靭帯の損傷も考えられたため初回はJRCを行い対応。
左膝もMCL付着部に圧痛があったが内反ストレステストは陰性。階段下降やニーイン動作で疼痛がみられたのでアイシングと軽擦法で対応。
翌日再来した際には母指の痛みはあるが可動域が大幅に改善されており、腫脹も軽減がみられ、左膝は初回施術後は良かったが仕事が終わる頃には疼痛が戻っていた。
膝、母指ともにハイボルト、超音波を使い患部に直接刺激を入れると炎症はさらに減少できた。
その後も週3回程の来院頻度で治療を行っていき4週目には母指のROMはほぼ改善しておりMP関節の不安感、上肢の倦怠感、張り感程度に緩和していた。
膝も圧痛は消失するも夕方階段を降りる際や仕事がハードな時は痛みが強いので小波津式神経筋無痛療法を行い手指、膝に関わる神経にアプローチをしたところ疼痛の軽減が確認できた。
通院頻度も週2回にしても特に悪化などはせず、なかなか来院できないときは違和感は診られたが鍼治療を行うことで症状も落ち着いていた。徐々に調子が良くなってきたため2月をもって治癒となった。

・考察

初回来院時は接骨院に対して少し警戒しているような様子であったが、翌日には変化を感じてもらうことができて信頼を得ることができたのではないかと感じた。日常的にしゃがんだり、立ったりすること多いとのことなので動作を確認するとニーインになりやすい癖を発見。
癖の改善もクライアント自身も積極的に意識してやっていただけたのも早期回復に繋がったのではないだろうか。

・使用した主な技・ツボ

JRC(手指)、小波津式、ハイボルト・超音波(コンビネーション治療)鍼治療(陽渓、合谷、前腕硬結部、足三里、血海)
No. 8091